なぜ、あの人はお金を増やせるのか?秘密は「金利」にあった。初心者向け徹底解説

【まとめ】この記事を読めば「金利」を味方にできる
あなたは「金利」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
「銀行預金の利息のこと?」「住宅ローンの話?」「なんだか難しくて自分には関係ない…」
もし、そう感じているなら、この記事はあなたのためのものです。実は、金利は私たちの生活と切っても切れない関係にある、お金の「基本ルール」なのです。
サッカーのルールを知らないと試合を楽しめないように、金利というルールを知らないと、私たちはお金のゲームで損をし続けることになりかねません。
この記事であなたが得られること
- 知識0からわかる「金利」の3つの基本
- 銀行預金とNISAでの資産の増え方の衝撃的な差
- 金利のニュースが自分の給料や資産にどう影響するのか
- なぜNISAが「今すぐやるべき」と言われる本当の理由
- 「おいしい話」に騙されないための、投資詐欺の見抜き方
この記事を読み終える頃には、「金利って面白い!」「これなら自分でもお金を増やせるかも」と、将来への漠然とした不安が、具体的な希望に変わっているはずです。
難解な専門用語は使いません。ひとつひとつ丁寧に解説していきますので、リラックスして読み進めてくださいね。
【基本】投資初心者が最初に学ぶべき「金利」の知識、3つのポイント
最初の授業は「金利とは何か?」です。 一言でいうと、金利とは「お金のレンタル料金」のことです。
あなたが銀行にお金を預けるのは、銀行に「お金を貸している」のと同じです。だから、レンタル料として利息(金利)がもらえます。 逆に、あなたが住宅ローンを組むのは、銀行から「お金を借りている」状態です。だから、レンタル料として利息(金利)を支払う必要があります。
この「貸す側」と「借りる側」の金利を意識することが、お金と上手に付き合う第一歩です。
そして、投資初心者が最初に押さえるべき金利のポイントは、次の3つです。
ポイント1:お金の増え方が変わる「単利」と「複利」
ここに100万円あります。年間の金利(利回り)が5%だった場合、1年後には105万円になりますね。では、2年後はどうなるでしょうか?
- 単利:最初の元本(100万円)にだけ金利がつく計算方法。
- 2年後:100万円 + 5万円 + 5万円 = 110万円
- 複利:元本+利息に、さらに金利がつく計算方法。
- 2年後:(100万円 + 5万円)に5%の金利がつく → 105万円 × 1.05 = 110.25万円
たった0.25万円(2,500円)の差ですが、侮ってはいけません。この差は、時間が経てば経つほど、雪だるま式に大きくなっていきます。かの有名な物理学者アインシュタインが「複利は人類最大の発明」と呼んだと言われるほど、そのパワーは絶大なのです。
ポイント2:将来の返済額が変わる「固定金利」と「変動金利」
これは主にお金を借りるときの話ですが、知識として知っておきましょう。
- 固定金利:契約期間中、金利がずっと変わらないタイプ。将来の返済額が確定しているので、計画が立てやすい安心感があります。
- 変動金利:世の中の経済状況に合わせて、定期的に金利が見直されるタイプ。一般的に、契約当初は固定金利より低く設定されていますが、将来金利が上がると返済額も増えるリスクがあります。
ポイント3:お金の価値を守る「金利」と「インフレ」の関係
インフレとは「インフレーション」の略で、モノやサービスの値段が上がり、相対的にお金の価値が下がることです。
例えば、去年1年間で世の中のモノの値段が2%上がったとします(インフレ率2%)。 もし、あなたのお金が金利0.001%の銀行預金に預けられていたとしたら、どうなるでしょうか?
数字の上ではお金はわずかに増えていますが、買えるモノの量が減っているので、実質的には「目減り」しているのです。これが、「銀行に預けているだけだと、お金は減っている」と言われる理由です。インフレに負けない金利(利回り)でお金を運用することが、あなたの資産価値を守る上で非常に重要になります。
【比較】普通預金vsインデックス投資。30年後の衝撃的な差とは?
「複利の力はわかったけど、具体的にどれくらい差がつくの?」
その疑問にお答えしましょう。 ここでは、25歳のAさんとBさんが、毎月3万円を30年間、55歳になるまで積み立てたケースを比較してみます。
- Aさん:コツコツ真面目に、普通預金(金利0.001%)で積立
- Bさん:NISAを活用し、インデックス投資(想定利回り5%)で積立
30年後、二人の資産にはどれくらいの差が生まれるでしょうか?
【シミュレーション結果】
項目 | Aさん(普通預金) | Bさん(インデックス投資) |
積立元本 | 1,080万円 | 1,080万円 |
30年後の資産額 | 約1,080万円 | 約2,500万円 |
増えた金額 | 約1,600円 | 約1,420万円 |
※普通預金の金利は0.001%、インデックス投資の利回りは5%(税金は考慮しない)で計算した場合。これは将来の運用成果を保証するものではありません。
いかがでしょうか。 積立額は二人とも同じ1,080万円なのに、最終的な資産額には約1,420万円もの差が生まれるのです。これが、複利の力を味方につけたかどうかの違いです。
世界一の投資家として知られるウォーレン・バフェット氏の資産の大部分は、彼が50歳以降に築かれたと言われています。彼は若い頃から投資を始め、その利益を再投資に回し、複利の雪だるまを何十年もかけて転がし続けることで、天文学的な資産を築き上げました。
もちろん、投資には元本割れのリスクがあります。しかし、このシミュレーションは、金利を意識するかしないかで、これだけ将来の可能性が変わるという事実を教えてくれます。
【影響】金利が上がると、私たちの生活はどう変わる?
最近、「日銀が金利を引き上げ…」といったニュースを耳にしませんか? 「自分には関係ないや」と聞き流すのは、非常にもったいないことです。金利は「経済の体温計」とも呼ばれ、その動きは私たちの生活に直接影響を与えます。
金利が上がると、何が起こる?
- メリット(嬉しい影響)
- 銀行預金の金利が上がる:長い間0.001%といった超低金利が続いていましたが、少しずつ金利が上昇し、もらえる利息が増える可能性があります。
- デメリット(注意すべき影響)
- ローンの返済額が増える:変動金利で住宅ローンや奨学金を借りている場合、毎月の返済額が増えて家計を圧迫する可能性があります。
- 企業の業績が悪くなる:企業は銀行からお金を借りて設備投資などを行います。金利が上がると、その返済負担が重くなり、新しい投資に消極的になります。結果として景気が悪くなり、私たちの給料やボーナスが上がりにくくなるかもしれません。
- 株価が下がる傾向にある:企業の業績が悪くなるという懸念や、リスクのある株式よりも金利の上がった預金の方が魅力的になるため、株を売る人が増え、株価が下がりやすくなります。
このように、金利の動きは巡り巡って、私たちの資産や収入に影響を及ぼします。経済ニュースで金利の話が出てきたら、「自分の生活にどう影響するかな?」と考えてみる癖をつけると、お金のリテラシーがぐっと向上しますよ。
【実践】NISAやiDeCoが「やるべき」と言われる本当の理由
さて、第2章のシミュレーションで、投資のパワフルさをお伝えしました。 「でも、投資で利益が出たら税金がかかるんでしょ?」 その通りです。通常、投資で得た利益(配当金や売却益)には、約20%(20.315%)もの税金がかかります。
先ほどのBさんの例で、増えた金額が1,420万円だったとすると、その約20%である約284万円が税金として引かれてしまう計算です。これは非常にもったいないですよね。
そこで登場するのが、NISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)です。 これらは、国が「国民の皆さん、もっと自分たちで資産形成を頑張ってくださいね!その代わり、税金を特別に優遇しますよ!」と用意してくれた、最強の非課税制度なのです。
NISAのここがスゴイ!
- NISA口座内での投資で得た利益が、まるまる非課税になる!
先ほどのBさんがNISA口座で運用していた場合、税金約284万円は一切かからず、増えた1,420万円をそのまま受け取れる可能性があります。同じ運用をしたとしても、NISAを使うか使わないかで、手元に残るお金が大きく変わってくるのです。
特に、私たち20代・30代にとって、この制度を使わない手はありません。なぜなら、NISAは長期運用でこそ、その真価を発揮するからです。若いうちから始めることで、複利の効果を最大限に享受し、非課税の恩恵を長く受け続けることができます。
これが、多くの専門家が「投資を始めるなら、まずNISAから」と口を揃えて言う理由です。
【注意】「高金利」の罠。投資詐欺にダマされないために
ここまで読んで、投資への興味が湧いてきたあなたに、どうしても伝えておきたい大切な注意点があります。それは、「あり得ないほどおいしい話には、必ず裏がある」ということです。
投資への関心が高まると、残念ながらそこにつけ込む悪質な詐欺も増えてきます。彼らは、私たちの「楽して稼ぎたい」「損をしたくない」という心理を巧みに利用してきます。
詐欺師が使う常套句を知っておこう
- 「元本保証で、月利5%!」
- 「あなただけに紹介する未公開株です」
- 「絶対に損はしません。リスクゼロです」
このような言葉が出てきたら、100%詐欺だと思ってください。 まず、投資の世界に「元本保証」と「高いリターン」が両立することは絶対にあり得ません。リスクとリターンは常に表裏一体です。
では、「あり得ない高金利」とは、どれくらいが目安なのでしょうか? 世界一の投資家バフェット氏の生涯平均リターンが年利約20%と言われています。もし、素人である私たちに「年利20%以上を確実に出せる」という話が舞い込んできたら、それはバフェットを超える天才か、詐欺師のどちらかです。ほとんどの場合、後者でしょう。
自分のお金を守るための鉄則
- 仕組みが理解できないものには投資しない。
- 「元本保証」「必ず儲かる」は詐欺のサインと心得る。
- 取引する相手が、金融庁に登録された正規の業者か必ず確認する。(金融庁のウェブサイトで検索できます)
正しい知識は、あなたを詐欺から守る最強の盾になります。焦らず、自分のペースで学び、理解できる範囲から始めることが、投資で成功するための最も安全な道です。
さいごに:金利を知ることは、未来の自分を助けること
お疲れ様でした。ここまで、金利の基本から、具体的な資産形成の方法、そして注意点までを学んできました。
もう一度、大切なことをおさらいしましょう。
- 金利とは「お金のレンタル料」。特に、時間を味方につける「複利」の力は絶大。
- 銀行預金(金利 約0.001%)とインデックス投資(期待利回り 年5%)では、30年後に1,400万円以上の差が生まれる可能性がある。
- 金利のニュースは他人事ではない。私たちの給料やローン返済額に直接影響する。
- NISAは、投資の利益が非課税になる国のお得な制度。使わないと損。
- 「元本保証で高利回り」は100%詐欺。甘い言葉に騙されない知識を持つ。
金利を理解することは、単なる知識を得ることではありません。それは、お金に振り回される人生から、お金を賢くコントロールする人生へと舵を切るための、最初の、そして最も重要な一歩です。
将来の漠然とした不安は、具体的な行動を起こすことでしか解消できません。 この記事を読んで「やってみようかな」と少しでも感じたなら、ぜひ次のアクションを起こしてみてください。
それは、まずはお近くの銀行のウェブサイトで、普通預金と定期預金の金利を調べてみることかもしれません。あるいは、NISAについてもう少し詳しく解説している本を1冊読んでみることかもしれません。
そして、もしあなたが本気で将来のために資産を増やしたいと考えるなら、その第一歩は証券会社の口座を開設し、NISAを始めることです。
今はスマートフォン一つで、無料で簡単に口座開設ができます。月々1,000円といった少額からでも始められます。大切なのは、完璧な知識を得てから始めることではなく、まずは小さな一歩を踏み出してみることです。
あなたのその一歩が、10年後、20年後、30年後のあなた自身を助ける、何よりの力になるはずです。
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