【頂上決戦】オルカン vs S&P500、結局どっち?暴落・将来性・後悔しない選び方を徹底解説!

まずは結論!この記事でわかる「あなただけの答え」
忙しいあなたのために、まずはこの記事の結論から。
「オルカンとS&P500、どっちがいいの?」
その答えは、「あなたが投資に何を求めるか?」によって変わります。この記事を読めば、その「自分だけの答え」が見つかります。
- 心の平穏こそ最優先!「ほったらかし投資」の王道を歩みたい → それならオルカン(全世界株式)が有力候補です。世界中に広く分散することで、特定の国が不調でもダメージを和らげ、安定した成長が期待できます。
- リスクは承知の上!世界の中心で、成長の果実をガッツリ掴みたい → それならS&P500(米国株式)が有力候補です。GAFAMを筆頭とする最強企業群に集中投資し、世界経済の成長を力強く牽引するリターンを狙います。
- 正直、選べない…!いいとこ取りはできないの? → 「両方買う」という戦略も全く問題ありません。むしろ、非常に賢い選択肢の一つです。
この記事では、なぜそう言えるのか、そしてあなたが後悔しない選択をするための具体的なヒントを、「暴落時の強さ」「将来性」といった気になるテーマを深掘りしながら、どこよりも分かりやすく解説していきます。読み終わる頃には、あなたの心の中の「モヤモヤ」は、スッキリ晴れているはずです。
なぜ私たちは「オルカンか、S&P500か」でこんなにも悩むのか?
新NISAが始まり、誰もが投資を始めるのが当たり前になった時代。本屋には投資本が並び、SNSを開けば成功体験が目に飛び込んでくる。
「よし、自分も始めてみよう!」
そう決意したあなたが、最初にぶつかる巨大な壁。それが、「で、結局何を買えばいいの?」という問題です。
そして、少し勉強した人が必ずと言っていいほどたどり着く2つの選択肢、それが「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、通称【オルカン】と、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、通称【S&P500】です。
この2つは、いわば投資信託界の「二大巨頭」。どちらも低コストで、世界中の投資家から絶大な支持を集める優良ファンドです。しかし、その性格は似ているようで、実は全く異なります。
- オルカンは、世界約50カ国の優良企業約3,000社にまるっと投資する「世界選抜チーム」。
- S&P500は、アメリカを代表する最強企業500社に厳選して投資する「アベンジャーズ」。
「安定の世界選抜か、最強のアベンジャーズか…」
まるで究極の選択です。多くの初心者がこの分かれ道で立ち止まり、悩み、そして一歩を踏み出せずにいます。
でも、安心してください。この記事は、そんなあなたのための「羅針盤」です。データと歴史を紐解きながら、あなたが進むべき道を一緒に見つけていきましょう。
【暴落シミュレーション】守りが堅いのはどっち?「分散」vs「集中」の本当のリスク
投資を始めるとき、一番怖いのは「暴落」ですよね。もしリーマンショックのような大暴落が来たら、自分の資産はどうなってしまうのか…?
ここでは、あなたが最も気になるであろう「暴落時のディフェンス力」を比較してみましょう。
テーマ①:大暴落があったとき、より守りが堅いのはどっち?
テーマ②:「全世界に分散」と「アメリカに集中」、それぞれのメリットと本当のリスクとは?
理論上は、より多くの国や地域に分散しているオルカンの方が、特定の国(この場合はアメリカ)に集中しているS&P500よりも、暴落時のダメージは少ないはずです。果たして、現実はどうだったのでしょうか?
過去の大きな下落局面を振り返ってみましょう。
下落局面 | S&P500の下落率 (最大) | 全世界株式の下落率 (最大) | 差 |
コロナショック (2020年2月〜3月) | 約 -34% | 約 -32% | 約 -2% |
リーマンショック (2007年10月〜2009年3月) | 約 -56% | 約 -59% | 約 +3% |
※全世界株式は類似のインデックス(MSCI ACWI)の数値を参考にしています。
このデータから何が読み取れるでしょうか?
- コロナショックでは、理論通りオルカンの方が少しだけ下落率が低く、ディフェンス力を発揮しました。
- しかし、リーマンショックでは、なんとS&P500の方が下落率が低かったのです。これは、震源地がアメリカだったにもかかわらず、世界経済全体がそれ以上に深刻なダメージを受けた結果です。
つまり、「分散しているオルカンの方が、常に暴落に強いとは限らない」という事実が見えてきます。
現代のグローバル経済では、アメリカがくしゃみをすれば、世界中が風邪をひきます。アメリカ経済のダメージは、結局は全世界に波及するため、オルカンといえども無傷ではいられないのです。
では、分散投資は意味がないのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。
「分散」と「集中」のメリット・リスクを整理しよう
- オルカン(全世界分散)
- メリット: 「アメリカ一強時代の終焉」のような、特定の国が長期的に沈む”カントリーリスク”を避けられる究極の安心感。どの国が勝っても、その成長の恩恵を受けられる。まさに「ほったらかし」に最適。
- リスク: 全体の平均点を狙う戦略なので、アメリカのように絶好調な国のパフォーマンスに劣ることがある。「器用貧乏」になる可能性。
- S&P500(米国集中)
- メリット: イノベーションを生み出し続ける世界最強の経済大国の成長をダイレクトに享受できる。過去の実績が示す通り、爆発的なリターンが期待できる。
- リスク: もしアメリカが長期的な衰退期に入れば、資産もろとも沈んでしまうリスク。文字通り、アメリカと一蓮托生。
暴落時のダメージは、実は両者でそこまで大きな差はないかもしれません。しかし、その後の「復活のストーリー」が異なるのです。S&P500はアメリカ経済の復活を信じる物語。オルカンは、たとえアメリカがダメでも、他の国が世界を牽引してくれることを信じる、より壮大な物語と言えるでしょう。
【未来予測】10年後、あなたの資産を増やすのはどっち?
過去のデータも大事ですが、僕らが投資するのは「未来」です。10年後、20年後、より成長しているのは全世界なのか、それともアメリカなのか?
テーマ③:これから10年後、20年後、将来性が高いと専門家が考えているのはどっち?
これは、専門家の間でも意見が真っ二つに分かれる、まさに「神学論争」とも言えるテーマです。未来は誰にも分かりませんが、判断するための「材料」はあります。
S&P500の未来を信じる「米国最強」論
「結局、アメリカが世界を引っ張っていくでしょ」と考える人たちの根拠は、主に以下の3つです。
- イノベーションの中心地: GAFAM(Google, Amazon, Facebook, Apple, Microsoft)に代表されるように、世界の常識を変える巨大テクノロジー企業は、今もアメリカから生まれています。AI、宇宙開発、バイオテクノロジーなど、未来の成長分野をリードしているのは紛れもなくアメリカ企業です。
- 強い人口動態: 先進国の中で、アメリカは例外的に人口が増え続けている国です。移民を受け入れ、多様な人材が活躍することで、経済の活力が維持されています。人が増え、モノやサービスが消費されれば、企業は儲かり、株価も上がります。
- 株主資本主義の徹底: アメリカは「株主の利益を最大化する」という考え方が徹底されています。企業が生んだ利益は、配当や自社株買いを通じて積極的に株主に還元されるため、株価が上がりやすい土壌があります。
あの世界一の投資家、ウォーレン・バフェット氏が、自身の死後、妻に残す資産の90%を「S&P500に連動するインデックスファンド」に投資するよう遺言している話はあまりにも有名です。これは、彼がいかにアメリカ経済の未来を信じているかの証左と言えるでしょう。
オルカンの未来を信じる「次の主役」待望論
一方で、「アメリカ一強は永遠には続かない」と考える人たちもいます。
- 歴史は繰り返す: 世界の経済覇権は、時代と共に移り変わってきました。1980年代には「ジャパン・アズ・No.1」と言われ、世界時価総額ランキングの上位を日本企業が独占した時代もあったのです。今はアメリカが絶対的な王者でも、次は中国か、インドか、あるいは全く別の国が台頭してくる可能性は十分にあります。
- 新興国の圧倒的な成長率: 人口増加や経済発展の「伸びしろ」で言えば、アジアやアフリカなどの新興国に軍配が上がります。これらの国々が経済的に成熟していく過程で、株価も大きく上昇する可能性があります。オルカンは、これらの未来のスター候補たちの成長も、まるごと取り込むことができます。
- 割高感とリスク分散: 絶好調のアメリカ株は、見方を変えれば「割高」になっているとも言えます。また、政治的な混乱や格差問題など、アメリカが抱えるリスクも無視できません。全世界に投資するオルカンは、こうしたアメリカ固有のリスクをヘッジしてくれる保険のような役割も果たします。
どちらの未来を、あなたはよりリアルに感じますか? S&P500を選ぶことは、アメリカの未来に賭けること。オルカンを選ぶことは、人類全体の未来の成長に賭けること、と言えるのかもしれません。
後悔しないための「自分だけの答え」の見つけ方
さて、ここまで暴落時の強さや将来性について見てきました。しかし、それでも「で、私はどっちを選べばいいの?」という問いが、頭の中をぐるぐるしているかもしれません。
テーマ④:5年後、10年後に「こっちにしておけばよかった…」と後悔しないための選び方は?
投資で最も避けたいのは、「隣の芝生が青く見える」状態に陥り、自分の選択に自信が持てなくなって、相場が良い時も悪い時も不安でい続けることです。そうならないためには、他人の意見や一時的な流行に流されず、「自分なりの投資哲学(軸)」を持つことが何よりも重要です。
以下の2つの質問に、心の中で答えてみてください。
質問1:もし大暴落が起きたとき、どちらのセリフを心の中で呟く方が、精神的にラクですか?
- A:「やっぱりアメリカだけに集中するのは怖かったな…。世界中に分散しておけば、もう少しマシだったかもしれない…」
- B:「やっぱり世界平均じゃなくて、最強のアメリカ株に賭けておけば、もっと早く回復したかもしれない…」
もしあなたが「A」のセリフを呟きそうなら、リスクをなるべく抑えたい「安定志向」タイプ。オルカンの方が心の平穏を保ちやすいでしょう。
もし「B」のセリフを呟きそうなら、機会損失を避けたい「リターン追求」タイプ。S&P500の方が納得感を持って続けられるはずです。
質問2:あなたの投資スタイルは、どちらの言葉にしっくりきますか?
- A:「世界の成長を、丸ごといただく」
- B:「世界の成長の、中心をいただく」
「丸ごと」という言葉に安心感や魅力を感じるなら、あなたはオルカン向きです。 「中心」という言葉に力強さや合理性を感じるなら、あなたはS&P500向きです。
このように、どちらが優れているかではなく、「どちらが自分の性格や価値観に合っているか」という視点で選ぶこと。それが、5年後、10年後に後悔しないための唯一の方法なのです。
究極の選択?いや「両方買う」という賢い戦略
ここまで二者択一で話を進めてきましたが、「どうしても選べない…」という方も多いでしょう。
テーマ⑤:この2本を組み合わせて「両方買う」という戦略はアリ?ナシ?
結論から言えば、全くもってアリです。むしろ、多くの投資家が実践している非常にクレバーな戦略です。
なぜ「両方買い」は賢い選択なのか?
オルカンの中身を見てみると、実はその約60%は米国株式で構成されています(2025年時点)。つまり、オルカンを買うだけでも、十分にアメリカの成長の恩恵は受けられるのです。
それを踏まえた上で、あえてS&P500も一緒に買うことには、以下のようなメリットがあります。
- アメリカへの投資比率を自分好みに調整できる 「オルカンの安定感は欲しい。でも、もう少しアメリカの成長も期待したいな…」 そんな時、自分でS&P500をトッピングすることで、アメリカへの投資比率を60%から70%、80%へと引き上げることができます。
- 精神的な安定につながる 「アメリカ株が絶好調!」というニュースを見ても、「自分もS&P500を持っているから大丈夫」と思える。 「新興国が急成長!」というニュースを見ても、「自分はオルカンでちゃんと投資しているから大丈夫」と思える。 どちらに転んでも「自分はちゃんと波に乗れている」という安心感は、投資を長く続ける上で強力な武器になります。
具体的な「両方買い」のポートフォリオ例
もし両方買うなら、どんな比率がいいのでしょうか?もちろん正解はありませんが、いくつか例を挙げてみましょう。
- 安定重視の「基本のオルカン」型:オルカン80% + S&P500 20%
- 全世界への分散を基本としつつ、S&P500で少しだけ米国の比率を高める。
- バランス重視の「ハーフ&ハーフ」型: オルカン50% + S&P 50%
- 迷ったらコレ。両者の良いところを半分ずつ取り入れる、分かりやすいスタイル。
- 成長重視の「S&P500が主役」型: オルカン30% + S&P500 70%
- 米国の成長をメインに狙いつつ、オルカンでアメリカ以外の国にも保険をかけておく。
「どっちか一つを選ばなくてはならない」という思い込みを捨てると、途端に気持ちが楽になりませんか?まずは少額で両方買ってみて、自分の気持ちの動きを観察しながら、心地よい比率を探していくのも一つの手です。
まとめ:完璧な正解より、納得のいく一歩を
「オルカン vs S&P500」という、投資初心者が直面する永遠のテーマ。 この記事を通して、あなたの中にあったモヤモヤは、少しでも晴れたでしょうか。
最後に、最も重要なことをお伝えします。
それは、「オルカンとS&P500、長期的に見ればどちらを選んでも、何もしないよりは遥かに賢明な選択である」ということです。
どちらも世界を代表する素晴らしい指数であり、低コストでそれらに連動する投資信託を、私たちは日本にいながらワンコインから買うことができます。これは、ひと昔前では考えられなかった、とてつもなく恵まれた環境なのです。
完璧な正解を探して悩み続け、一歩も踏み出せないでいる時間が、最大のリスクです。
- 安定志向で、世界経済の成長を丸ごと信じるなら、オルカン。
- リスクを取ってでも、世界最強国家の成長を信じるなら、S&P500。
- 迷ったら、両方買って自分だけのブレンドを作る。
あなただけの「納得解」を見つけて、今日から、まずは少額でもいい、未来のための小さな一歩を踏み出してみませんか。その一歩が、10年後、20年後のあなたをきっとリッチにしてくれるはずです。
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