【投資のリアル】もし20年前に月3万積立していたら今いくら?S&P500の衝撃シミュレーション

【投資のリアル】もし20年前に月3万積立していたら今いくら?S&P500の衝撃シミュレーション

【結論】もし20年前にS&P500へ月3万円投資していたら、資産は「2,700万円」を超えていた

いきなり衝撃的な数字から失礼します。ですが、これは過去20年間に実際に起きた事実です。

「投資って、なんだか怖い」「お金持ちがやるものでしょ?」「損したらどうしよう…」

この記事は、そんな風に感じているごく普通のあなたに向けて書いています。この記事を読み終える頃には、その漠然とした不安が「なるほど、そういうことか!」「私にもできるかもしれない」という確信に変わるはずです。

この記事で分かること

  • 【社会背景】 なぜ今、国まで「投資」を勧めているのか?
  • 【リアルな成績】 投資をしている人のうち、本当に利益を出している人の割合
  • 【あなたに合うのは?】 「個別株」と「投資信託」の決定的な違い
  • 【言葉の解説】 「S&P500」や「オルカン」が人気の理由
  • 【衝撃の結果】 過去20年間のリアルな投資シミュレーション

専門用語は一切使いません。あなたの生活に身近な例え話を交えながら、世界一分かりやすく解説していきます。未来の自分を助けるための、大切な知識の旅へ一緒に出かけましょう。


なぜ今、「投資」なの?~おにぎりの値段から見える未来~

「昔は真面目に働いて貯金していれば、将来は安泰だった」

あなたの親御さん世代は、そう思っていたかもしれません。そしてそれは、決して間違いではありませんでした。なぜなら、数十年前の日本は、今とは全く違う経済状況だったからです。

  • 銀行の金利が高かった:1990年、銀行の定期預金の金利はなんと年6%以上。100万円を預けておけば、1年で6万円も増えた時代です。何もしなくても、お金がお金を生んでくれました。
  • 物価が安定していた:モノの値段が大きく変わらなかったため、1万円は明日も、1年後も「1万円」の価値を持っていました。
  • 終身雇用が当たり前だった:一度会社に入れば、定年まで安定した給料が保証されるのが一般的でした。

しかし、現代の日本はどうでしょうか?

銀行の金利は、限りなくゼロに近い0.002%(2025年時点の目安)。100万円を1年預けても、たった20円しか増えません。コンビニでお茶も買えない金額です。

一方で、私たちの身の回りでは「値上げ」のニュースが後を絶ちません。コンビニのおにぎりが110円から130円に、電気代やガソリン代もどんどん上がっています。これは「インフレ(インフレーション)」と呼ばれる現象です。

インフレが続くと、一体何が起きるのでしょうか?

それは、「何もしないで銀行に貯金しているだけで、あなたのお金の価値が実質的に減っていく」という、静かで、しかし恐ろしい現実です。

例えば、130円のおにぎりを買うために、去年までは130円あれば足りました。しかし、今年150円に値上がりしたら、同じ130円ではもう買えません。お金の「数字」は変わっていなくても、モノを買う力が弱まってしまったのです。これが、「貯金だけのリスク」の正体です。

昔のように金利でお金が増えず、むしろインフレでお金の価値が減っていく。そして、会社の給料が昔のように右肩上がりに増える保証もない…。

だからこそ今、多くの人が、そして国(新しいNISA制度など)までもが、「自分のお金は自分で守り、育てていく必要がある」と考え、「貯金から投資へ」という大きな流れが生まれているのです。

投資は、ギャンブルではありません。インフレで価値が減っていく日本円を、世界の経済成長の力を借りて、価値が育っていく可能性のある資産(株など)に換えておく。未来の自分の生活を守るための、極めて合理的な「備え」なのです。


みんな、本当に儲かってるの?~投資のリアルな成績表~

「投資の必要性は分かった。でも、実際にやっている人は本当に儲かっているの?」

最も気になる疑問だと思います。幸いなことに、これは金融庁などの公的な機関が調査データを公表しています。

金融庁が2024年に発表したNISA口座の利用状況調査によると、2024年3月末時点でNISA口座で金融商品を保有している人のうち、運用損益がプラス(利益が出ている状態)になっている人の割合は、なんと85%にも上ります。

「え、そんなに多くの人が利益を出しているの?」と驚かれたかもしれません。

もちろん、これは調査時点での数字であり、相場の状況によって変動します。しかし、多くの人がイメージする「投資はギャンブルで、大半の人が損をする」という姿とは、大きくかけ離れていることが分かります。

では、利益を出している人と、残念ながら損失を出してしまっている人の間には、どのような違いがあるのでしょうか。

様々な調査で指摘されているのが、「投資期間の長さ」です。

  • 利益を出している人に多い傾向:長期的な視点で、コツコツと積立投資を続けている。日々の株価の上下に一喜一憂せず、どっしりと構えている。
  • 損失を出している人に多い傾向:短期的な値上がりを狙って売買を繰り返したり、価格が急落した時に怖くなって売ってしまったりする(狼狽売り)。

これは、感動的な成功物語ではありませんが、非常に重要な事実です。投資の世界で成功を収めているのは、一部の天才的なトレーダーだけではありません。むしろ、「良い商品を一度買ったら、あとは何もせずにじっと待ち続けた人」が、着実に資産を増やしているケースが非常に多いのです。

この事実は、投資を始めようか迷っている私たちにとって、大きな希望となります。特別な才能や知識がなくても、正しい原則(長期・積立・分散)を守りさえすれば、多くの人が資産を築く側に回れる可能性が高いのです。


何を買えばいいの?~「幕の内弁当」と「専門店の逸品」~

投資を始めようと決意した人が、次につまずくのが「で、何を買えばいいの?」という問題です。ここで登場するのが「個別株」「投資信託」という2つの選択肢です。

これを、レストランでの食事に例えてみましょう。

  • 個別株:あなたが「ここの味が大好きだ!」と惚れ込んだ、特定のレストラン(例:トヨタ自動車、任天堂)の料理を単品で頼むようなものです。そのレストランが大当たりすれば大きなリターンを得られますが、もし経営が傾けば、その価値は大きく下がってしまいます。まさにハイリスク・ハイリターンな「専門店の逸品」です。
  • 投資信託:色々な人気レストラン(会社)の料理が、少しずつたくさん詰め合わされた「幕の内弁当」のようなものです。運用のプロ(シェフ)が、栄養バランスや彩りを考えて、世界中の美味しい料理を厳選してくれています。一つの料理(会社)がイマイチでも、他がたくさん入っているので全体への影響は限定的です。初心者でも手軽にリスクを分散できるのが最大の魅力です。

どちらが良い・悪いという話ではありません。しかし、投資の経験が全くない初心者の方にとって、どちらが始めやすいかと言えば、間違いなく「投資信託」です。

一つの会社に全資産を投じるのは、その会社の将来を完全に見通す力が必要となり、プロでも難しいからです。まずは色々な会社がパッケージになった「幕の内弁当(投資信託)」で、世界経済全体の成長の恩恵を受けることを目指すのが王道とされています。

初心者が最初に聞く魔法の言葉「S&P500」と「オルカン」

そして、投資信託の中でも特に人気の高い「幕の内弁当」が2つあります。それが「S&P500」「全世界株式(オルカン)」です。

  • S&P500
    • 中身:アメリカを代表する、超優良企業約500社の詰め合わせパック。
    • 特徴:Apple、Microsoft、Amazonなど、皆さんが知っている世界トップクラスの企業が勢ぞろい。良くも悪くも「アメリカ経済」の成長と連動します。これまで世界経済を牽引してきた実績があり、力強い成長が魅力です。
  • 全世界株式(オルカン)
    • 中身:アメリカだけでなく、ヨーロッパ、日本、中国、インドなど、全世界の主要企業約3,000社の詰め合わせパック。
    • 特徴:「全世界」という名前の通り、地球全体の経済成長に賭けるイメージです。アメリカが不調でも他の国が好調であればカバーしてくれるなど、S&P500よりもさらに広くリスクが分散されているのが魅力です。「迷ったらコレ」と言われることも多い、究極のバランス型弁当です。

どちらを選ぶかは好みによりますが、この2つのどちらかを選んでおけば、世界経済の成長の波に乗ることができるため、多くの専門家が初心者に推奨しています。


【最重要】もし20年前に始めていたら?~驚きのシミュレーション結果~

お待たせしました。この記事の核心部分です。

理屈は分かったけれど、実際に過去、長期間投資を続けていたら、資産は一体どうなっていたのでしょうか。ここでは、先ほどご紹介した人気の投資信託「S&P500」を例に、リアルなシミュレーションを見ていきましょう。

【シミュレーションの条件】

  • 期間:2005年1月から2024年12月までの20年間
  • 方法:毎月1日に3万円ずつ、S&P500に連動する投資信託を買い続ける(積立投資)
  • 備考:手数料や税金は考慮しない、配当は再投資するものとします。

この20年間には、世界中を震撼させた2つの大きな経済危機がありました。

  • 2008年のリーマンショック:株価が約半分になる歴史的な大暴落
  • 2020年のコロナショック:世界中の経済活動がストップした

もしあなたが、こんな恐ろしい時期にも歯を食いしばって積立を続けていたら、資産はどうなっていたでしょうか。

【シミュレーション結果】

  • 積立投資の元本(あなたが投じたお金の合計)
    • 3万円 × 12ヶ月 × 20年 = 720万円
  • 20年後の評価額(あなたの資産の価値)
    • 結果は… なんと約2,780万円

(注:これは実際の過去のデータに基づくシミュレーションであり、将来の成果を保証するものではありません。)

いかがでしょうか。 あなたがコツコツと積み立てた720万円は、2,000万円以上も増えて、約3.8倍になっていた可能性があるのです。これが、アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだ「複利」の力と、世界経済の成長の力です。

重要なのは、このシミュレーション結果が、「株価が右肩上がりの良い時期だけを切り取ったものではない」という点です。

リーマンショックのような暴落時、多くの人が恐怖で株を売ってしまいました。しかし、もしあなたが「株価が下がっている時こそ、同じ金額でたくさんの株が買えるチャンスだ」と考え、積立を淡々と続けていたらどうでしょう。その後にやってきた景気回復の波に乗り、資産は爆発的に増えていったのです。

この歴史的な事実は、私たちに2つの重要な教訓を与えてくれます。

  1. 長期的な視点で見れば、世界経済は成長を続けてきた。
  2. 市場から退場せず、暴落時にもコツコツと買い続けることが、最終的に大きな富を築く鍵である。

このシミュレーションは、特定の天才投資家の物語ではありません。ただ「毎月決まった日に、決まった金額を、同じ商品に投資し続ける」という、誰にでもできるルールを守っただけのごく普通の人が得られたであろう、現実的なリターンなのです。


結論:今日が、あなたの未来を変える一番若い日

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

  • 昔と今ではお金の常識が変わり、貯金だけでは資産が目減りする時代になったこと(第1章)
  • 正しい方法(長期投資)を続ければ、多くの人が利益を出しているという事実(第2章)
  • 初心者には、リスクを抑えられる「投資信託(幕の内弁当)」がおすすめであること(第3章)
  • そして、過去20年間コツコツ続けたシミュレーションが、驚くべき結果を生んだこと(第4章)

投資に対する「なんだか怖い」という漠然とした不安は、少し和らいだでしょうか。

もちろん、投資に「絶対」はありません。シミュレーションはあくまで過去の実績であり、未来を保証するものではありません。明日、株価が暴落する可能性もゼロではありません。

しかし、私たちは歴史から学ぶことができます。これまで何度も経済危機を乗り越え、世界経済全体は長期的には右肩上がりに成長を続けてきました。この大きな流れに自分のお金を少しだけ乗せてみる、というのが投資の基本的な考え方です。

「始めるのが遅すぎたのでは…」と思う必要は全くありません。投資を始めるのに最も良いタイミングは「昨日」でしたが、それに次ぐベストなタイミングは、間違いなく「今日」です。なぜなら、今日が、あなたの残りの人生で一番若い日だからです。

この記事を読んで、「ちょっとやってみようかな」と思っていただけたら、まずは証券会社の口座を開設し(今はスマホで10分もあれば可能です)、月々1,000円や5,000円といった、「もし最悪無くなっても、笑って許せる金額」から始めてみてください。

その小さな一歩が、20年後のあなたから「あの時、始めてくれてありがとう」と感謝される、未来を変える大きな一歩になるかもしれません。