【新NISA】ポートフォリオの見直しはいつ?5年後に差がつく年代別の最適解を解説
- 2025.10.13
- うさぎで学ぶシリーズ 投資戦略・テクニック
- ポートフォリオ, 分散投資, 投資初心者, 新NISA, 資産運用

シン・NISA、5年後の最適解は?ふわふわ星の兄妹と学ぶ「年代別ポートフォリオ見直し術」
ナレーション: 宇宙のどこかにある、何もかもがふわふわな惑星「ふわふわ星」。この星の玉座では、賢王「てち王」が、お気に入りのイチゴを片手に、妹である「ちろ姫」の将来を案じていました。
ちろ姫のニンジン畑
てち王:「ちろ姫よ。お前が『しんにーさ』なるもので育て始めたニンジン畑は、その後どうなっておる?」
ちろ姫:「てち兄様!あのね、ちろの畑、すごいんだよ!ニンジンとリンゴと干し草を植えたの!でも、なんだかイチゴの葉っぱばっかり大きくなっちゃって、ぴょんぴょん跳ねるたびに足に当たるの!」
てち王:「ほう…イチゴとな。それは『成長投資枠』で育てておる、リスクは高いが大きく育つ可能性のある果実じゃな。その畑全体のこと、人間界の言葉で『ポートフォリオ』と呼ぶのじゃ。ちろよ、その畑、手入れはしておるか?」
ちろ姫:「ううん?お水をあげて、あとは応援してるだけ!がんばれーって!」
てち王:「うむ、応援は大事じゃ。じゃがな、ちろ姫。畑というものは、ただ種をまくだけでは良い実は採れんのじゃ。特に5年も経てば土の様子も変わってくる。そろそろ、お前の大切な畑を『見直し』する時期じゃな。将来、美味しいニンジンに困らぬよう、この朕が直々に教えてやろう」
ちろ姫:「わーい!お勉強!終わったらリンゴ食べてもいい?」
てち王:「もちろんだとも。さあ、始めるぞ」
——こうして、ふわふわ星の金融教室が始まったのです。
うさぎの成長と畑の育て方
てち王:「まず大前提として、うさぎの年齢によって、畑の育て方は大きく変わるのじゃ」
ちろ姫:「えー!そうなの?おっきくなったら、ニンジンの味が変わるみたいな?」
てち王:「ふふ、少し違うが、良いところに目をつけたな。例えば、ちろのような若いうさぎは、まだぴょんぴょん元気に跳ね回れる。少しくらい転んでも、すぐに立ち直れる力がある。じゃから…」
▼20代〜30代:若草の丘でぴょんぴょん跳ねるうさぎ達へ

てち王:「若いうちは、畑に『高級イチゴ』のような果実を多めに植えるのが良いじゃろう。『株式』と呼ばれるものじゃな。これらは育つのが速いが、嵐が来ると傷みやすい。じゃが、若いお前たちには時間がある。たとえ嵐で一度ダメになっても、また植え直して大きく育てられるからの。そして『複利』という魔法を使えば、実ったイチゴがまた新しいイチゴを育て、時間が経つほどに畑は豊かになるのじゃ」
ちろ姫:「いちごがいっぱい!あたち、いちごだーいすき!」
▼40代〜50代:冬眠の準備を始めるうさぎ達へ
てち王:「だが、朕のように落ち着いた年齢になったり、守るべき家族が増えたりすると、そうもいかぬ。冬眠(老後)の準備も考えねばならん。そうなったら、毎年安定して収穫できる『干し草』の割合を増やすのじゃ。これは『債券』というものに近いな。派手さはないが、どんな時でもお腹を満たしてくれる、大切なお守りのような存在じゃ」
ちろ姫:「干し草も好き!カリカリしてておいしいもんね!」
てち王:「うむ。つまり、若い頃はイチゴ(株式)を多めにして畑の成長を狙い、歳を重ねるごとに干し草(債券)を増やして畑を安定させ、いつでもニンジンを収穫できるように備える。これが基本の考え方じゃ」
育ちすぎたイチゴのお手入れ
ちろ姫:「てち兄様!でも、あたちの畑、イチゴが育ちすぎて、干し草さんの場所にまで伸びてきちゃったの!これじゃあ、干し草さんが元気に育たないよぅ」
てち王:「それこそが『見直し』が必要なサインじゃ。その作業を『リバランス』と呼ぶ。畑の畝(うね)のバランスを整えることじゃな」
ちろ姫:「りばらんす?」
てち王:「うむ。やり方はこうじゃ。まず、育ちすぎたイチゴを、少しだけ収穫する」
ちろ姫:「え!食べちゃうの!?」
てち王:「もちろん食べても良い。そして、その収穫したイチゴを売って得たニンジン(通貨)で、今度は元気のなくなっている干し草の畝に、栄養たっぷりの土や種を足してやるのじゃ。そうすれば、畑全体のバランスが元通りになる。イチゴが育ちすぎればイチゴを少し収穫し、干し草が減れば買い足す。これを年に一度、例えば収穫祭の日にでもやれば、お前の畑は常に最高の状態を保てる」
ちろ姫:「なるほどー!じゃあ、もし嵐がきて、畑の元気がなくなっちゃったらどうするの?ニンジン、全部引っこ抜いたほうがいい?」
てち王:「それだけはならん!畑の元気がなくなっている時(含み損)は、うさぎはじっと我慢の時じゃ。慌てて引っこ抜いてはならん。ふわふわ星の太陽と雨が、また畑を元気にしてくれるのを信じて待つのじゃ。むしろ、そんな時こそ、おやつを少し我慢して、畑に新しい種を追加でまいてやる(買い増し)絶好の機会でもあるぞ」
自分だけのニンジン畑を育てよう
ちろ姫:「てち兄様、あたち、わかった気がする!ポートフォリオはニンジン畑で、リバランスは畑のお手入れなんだね!自分のお年や目標に合わせて、イチゴと干し草のバランスを考えるのが大事なんだ!」
てち王:「その通りじゃ、ちろ姫。よく学びましたな。大事なのは、誰かの畑を真似することではない。ぴょんぴょん跳ねる市場の動きに心を惑わされず、自分が決めたルールを守り、楽しみながら『自分だけの最高のニンジン畑』を育てることじゃ。さあ、約束のリンゴを食べるとしようか」
ちろ姫:「わーい!ありがとう、てち兄様!あたち、がんばって、世界一のニンジン畑を作ってみせる!」
こうして、ちろ姫は自分だけのポートフォリオというニンジン畑を育てる決意を固めました。あなたのNISAという畑は、今、どのような状態でしょうか?たまには愛情を込めて、お手入れをしてあげてくださいね。
【用語解説】
- ポートフォリオ:金融商品の組み合わせのこと。記事の中では「ニンジン畑」に例えられました。株式、債券、不動産など、様々な種類の資産(野菜や果物)を組み合わせることで、どれか一つが不作でも、他の収穫で補える安定した畑作りを目指します。
- 新NISA:2024年から始まった個人のための税金優遇制度。この制度を使って得た利益(収穫したニンジン)には税金がかかりません。「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの畑があります。
- リバランス:資産配分(ポートフォリオの比率)を、当初の計画通りに修正すること。記事の中では「畑のお手入れ」に例えられました。値上がりした資産を一部売り、値下がりした資産を買い増すのが基本的な方法です。
- 株式:企業が資金を集めるために発行するもの。値動きが大きくリスクは高めですが、企業の成長と共に大きく値上がりする可能性があります。記事の中では「高級イチゴ」に例えられました。
- 債券:国や企業がお金を借りるために発行する証明書。満期まで持てば、定期的にお金(利子)がもらえ、元本も戻ってくるため、株式に比べてリスクが低いとされています。記事の中では「干し草」に例えられました。
- 複利(ふくり):投資で得た利益を、さらに元の投資金に加えて運用すること。利益が利益を生むため、雪だるま式に資産が増えていく効果が期待できます。長期投資の最大の味方です。
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