【GAFAはオワコン?】株の今後はどうなる?5つのリスクと将来性を初心者向けに解説

【GAFAはオワコン?】株の今後はどうなる?5つのリスクと将来性を初心者向けに解説

プロローグ

ふわふわ星の広間は、今日も甘いニンジンの香りで満たされています。玉座に腰掛ける王、てち王が優雅にイチゴを口に運んでいると、妹のちろ姫がものすごい勢いで駆け込んできました。

ちろ姫:「た、大変でち!てち兄様!」

ぴょんぴょんと跳ねるたびに、自慢の茶色い毛並みが揺れています。その右手だけが白いのが、ちろ姫のチャームポイントです。

てち王:「どうした、ちろ姫。そんなに慌てて。淑女は落ち着きが肝心だぞ」

ちろ姫:「落ち着いてなんかいられないでち!ノンビリ星のタートルさんが、お庭で頭を抱えているんでちよ!甲羅にヒビが入っちゃうくらい悩んでるでち!」

てち王が眉をひそめると、広間の入り口から、のそりと大きな甲羅を背負ったノンビリ・タートルが顔をのぞかせました。

巨大すぎるGAFA、今から投資はもう遅い?

てち王:「これはこれは、タートル殿。ようこそ、ふわふわ星へ。して、何やらお悩みで?」

てち王の穏やかな問いかけに、ノンビリ・タートルは深いため息をつきました。

ノンビリ・タートル:「てち王様…。実は、最近『投資』というものを始めてみようかと考えておりまして…。でも、世の中には『GAFAはもう終わりだ』なんて声もあって、何を買えばいいのかさっぱり分からなくなってしまったのです…」

ちろ姫:「がふぁ?なあに、それ?あたちが食べられる新しいお菓子でちか?」

ちろ姫が首をかしげ、てち王は優しく妹の頭を撫でました。

てち王:「GAFAとは、巨大な力を持つ4つの企業の頭文字を取った言葉だ。Google、Apple、Facebook(現Meta)、そしてAmazon。我々の生活に深く根付いているサービスを提供している、いわば星々の王のような企業だな」

ノンビリ・タートルは、さらに甲羅を縮こませます。

ノンビリ・タートル:「そうなのです。あまりに巨大すぎて、今から投資したところで、もう成長の余地はないのではないかと…。それに、最近は悪い噂もよく耳にします。国から『大きすぎる!』と睨まれているとか…」

その言葉に、てち王は静かに頷きました。

てち王:「うむ。タートル殿の懸念はもっともだ。確かにGAFAは、かつてのような圧倒的な成長だけを期待できるステージにはいないのかもしれぬ。今日は、GAFAが直面する課題と、それでもなお注目される理由について、朕と一緒に考えてみようではないか」

GAFAの未来を左右する3つの大きな壁

てち王は、大きなニンジンの形をしたスクリーンに、宇宙の星々を映し出しました。

てち王:「まず、タートル殿が心配しておる『規制』の壁。これはGAFAにとって最大の逆風と言えるやもしれぬ」

① 規制リスク:独占禁止法の嵐

てち王:「GAFAの企業は、あまりにも力が強くなりすぎた。例えば、買い物をしようとすればAmazon、調べ物はGoogle。SNSを使えばMeta社のInstagram。我々の生活は、彼らの手のひらの上にあるようなものだ。これを問題視した各国の王様たち…つまり政府が、『市場を独り占めするのは良くない!』と、厳しいルールを設けようとしている。これを独占禁止法という」

ノンビリ・タートル:「ふむふむ…」

てち王:「これにより、企業の成長が鈍化したり、最悪の場合は会社を分割させられたりする可能性もゼロではない。これは株価にとって大きなリスクになる」

② 競争の激化:次世代の覇権を巡る戦い

てち王は次に、目まぐるしく移り変わる星雲の映像を映し出します。

てち王:「第二の壁は、『競争』だ。特に今、最も熱い戦いが繰り広げられているのがAI(人工知能)の分野だ」

ちろ姫:「AI?コンコン星のフォックスが、前に『AIが全部やってくれるから、ニンジンを預けるだけで100倍になる』って言ってたでち!」

ちろ姫の言葉に、てち王は苦笑しました。

てち王:「それはコンコン・フォックスの悪い冗談だろうな。だが、AIが未来の鍵を握るのは事実だ。Googleはもちろん、MicrosoftやNVIDIAといった他の強大な星々も、この分野に莫大な投資をしている。このAI開発競争で誰が覇権を握るか。それが、今後のGAFAの未来を大きく左右するだろう」

③ 新規事業の成否:次なるニンジンのなる木はどこに

てち王:「そして第三の壁が、『新しい成長の柱』を見つけられるか、だ」

スクリーンには、人々がゴーグルのようなものを着けて仮想空間で遊ぶ様子が映し出されます。

てち王:「例えば、Meta社は『メタバース』という新しい仮想世界に星の未来を賭けている。Appleは自動運転車や新しいデバイスを開発していると噂されている。Amazonは本業の通販だけでなく、クラウドサービス(AWS)という、いわば『宇宙の倉庫貸し』で莫大な利益を上げている。これらの新しい事業が成功するかどうかが、GAFAがこれからも王として君臨し続けられるかの試金石となるのだ」

ノンビリ・タートルは、少しずつ甲羅から顔を出しました。

ノンビリ・タートル:「なるほど…。GAFAと一括りに言っても、各社それぞれに違った課題と未来があるのですね」

それでもGAFAが魅力的な理由と、賢い付き合い方

てち王:「左様。ここまでリスクの話をしてきたが、もちろんGAFAにはそれを補って余りある強みがある」

てち王は、力強く言い切りました。

てち王:「圧倒的なブランド力資金力。世界中から優秀なうさぎ…いや、人材を集める開発力。そして、我々の生活から簡単には切り離せないプラットフォーム。これらがGAFAの揺るぎない強みだ」

ちろ姫:「じゃあ、やっぱりGAFAの株は『買い』なんでちか?」

ちろ姫が目を輝かせました。

てち王:「うむ。だが、ちろ姫。覚えておきなさい。投資の世界に『絶対』はない。どんなに強大な星も、いつかは光を失う時が来るやもしれぬ。だからこそ、朕が伝えたいのは『賢い付き合い方』だ」

てち王は、3本の指を立ててみせました。

一つ。GAFAを個別で買うのではなく、S&P500のような『星の詰め合わせパック』で買うこと。 「S&P500とは、アメリカの元気な大企業500社の株を少しずつ集めたものだ。これならGAFAがもし転んでも、他の496社が支えてくれる。これが分散投資の基本だ」

二つ。GAFAの動向に常にアンテナを張ること。
「彼らが次にどんなサービスを生み出すのか、どんな問題を抱えているのか。新聞やニュースを読んで、自分の頭で考える癖をつけるのだ。コンコン・フォックスのような甘い言葉に騙されぬようにな」

三つ。個別株投資が怖いと感じるなら、まずは少額から投資信託で始めること。
「プロに運用を任せる投資信託なら、タートル殿のような慎重な方でも安心して始めやすいだろう。大切なのは、勇気を出して最初の一歩を踏み出すことだ」

てち王の言葉に、ノンビリ・タートルは大きく頷きました。

ノンビリ・タートル:「てち王様、ありがとうございます。GAFAは終わりどころか、今まさに未来を賭けた大きな挑戦の最中なのですね。そして、私たち投資家も、ただ待つだけでなく、賢く付き合っていく必要があると分かりました。まずは、S&P500について、もう少し自分で調べてみようと思います!」

すっかり悩みが晴れた様子のノンビリ・タートルです。 ちろ姫も、「あたちも、おやつを少し我慢して、ニンジンを投資してみるでち!」と、意気込んでいます。

ふわふわ星の未来も、GAFAの未来も、そして投資家たちの未来も、誰にも確かなことは分かりません。だからこそ、学び続け、考え続けることが、何よりも大切なのかもしれませんね。てち王は、満足そうに微笑みながら、また一つ、イチゴを口に運ぶのでした。


用語解説

今回の物語はいかがでしたか?最後に、物語に出てきた金融用語を少しだけおさらいしましょう。

  • GAFA(ガーファ):
    Google, Apple, Facebook(現Meta), Amazonの4社の頭文字をとった言葉。世界経済に大きな影響力を持つ巨大IT企業群を指します。近年では、これにMicrosoftを加えた「GAFAM」や、NVIDIAを含めた「マグニフィセント・セブン」といった呼び方もされています。
  • 独占禁止法:
    特定の企業が市場を支配し、公正な競争を妨げることを防ぐための法律です。GAFAのような巨大企業は、この法律に抵触するのではないかと、世界各国の政府から厳しい視線を向けられています。
  • AI (人工知能):
    人間の知的活動をコンピュータで模倣したソフトウェアやシステムのこと。文章を作成したり、画像を生成したりする「生成AI」の分野で、今、世界中のテック企業が激しい開発競争を繰り広げています。
  • メタバース:
    インターネット上に構築された、アバターを通じて人々が交流したり経済活動を行ったりする3次元の仮想空間のことです。Meta社が社名を変更してまで注力している未来の事業の柱です。
  • クラウドサービス (AWS):
    Amazon Web Servicesの略。インターネットを通じて、サーバーやストレージ、データベースなどのITインフラを提供するサービスです。Amazonの収益の大きな柱となっており、世界中で多くの企業が利用しています。
  • S&P500:
    米国の代表的な株価指数の一つで、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している代表的な500社の株価を基に算出されます。これに連動する投資信託やETFは、分散投資の入門として非常に人気があります。
  • 分散投資:
    投資先を一つに絞らず、複数の異なる資産に分けて投資することで、リスクを低減させる手法です。卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした時に全部割れてしまいますが、複数のカゴに分けておけばリスクを分散できます。