投資の利益にかかる税金はいくら?NISAで非課税になる仕組みを初心者向けに解説

投資の利益にかかる税金はいくら?NISAで非課税になる仕組みを初心者向けに解説

ふわふわ星の青い空の下、今日も元気なちろ姫が自慢の白い右手でお城の庭をぴょんぴょん跳ね回っていました。その手には、一枚の計算用紙が握られています。

ちろ姫:「いち、じゅう、ひゃく…わー!すごいでち!あたちが買った『ふわふわ星銘菓・イチゴクッキー株式会社』の株、こんなに価値が上がったんでち!」

ちろ姫は、大好きなリンゴが何個買えるか計算して、目をキラキラさせています。数日前、兄であるてち王に教わって、おやつを少しだけ我慢して貯めたお小遣い(ニンジン)で初めて株を買ってみたのです。

ちろ姫:「これで、干草もりんごも食べ放題でち!毎日パーティーでち!」

有頂天になっているちろ姫の背後から、優しくも威厳のある声が聞こえました。

てち王:「おぉ、ちろ姫。朕が教えた通りにできて感心だ。初めての投資、大成功だったな」

振り向くと、そこにいたのはふわふわ星の王、てち王でした。白と茶色の毛並みが陽の光を浴びて、まさに王の風格です。

ちろ姫:「てち王兄様!見てくだちゃい!あたち、100ニンジンも儲かったんでち!」

てち王:「うむ、素晴らしい。だがな、ちろ。その100ニンジンの儲け、全てがお前のものになるわけではないのだぞ」

ちろ姫:「え…?どういうことでちか?」

ちろ姫のぴょんぴょんとした動きが、ぴたりと止まりました。

儲けには「税金」がかかる

てち王:「ちろ姫よ、お前が得たその100ニンジンの利益にはな、『税金』というものがかかるのだ」

ちろ姫:「ぜいきん…?それって、新しいお菓子の名前でちか?」

てち王:「ははは、違うぞ。税金というのはな、このふわふわ星を安全で豊かに保つために、民から集める大切なお金(ニンジン)のことだ。お城の修理や、皆が使う道の整備、悪いキツネたちが来ないように星を守るためにも使われる。利益を得た者は、その一部を星に納める義務があるのだ」

てち王は、ちろ姫の目線までかがんで、優しく語りかけます。

ちろ姫:「なるほど…星のためなら仕方ないでちね…。でも、あたちの儲けは、どれくらい取られちゃうんでちか?」

てち王:「うむ。日本という国では、投資で得た利益には、原則として20.315%の税金がかかる。これは、所得税、住民税、そして復興特別所得税というものを合わせた数字だ」

ちろ姫:「にじゅ…?ぱーせんと…?あたちの頭では計算できないでち!」

ちろ姫は、ぷぅっと頬を膨らませました。

てち王:「分かりやすく説明しよう。もしちろ姫が100本のニンジンを儲けたとする。そのうちの約20本は、税金として納めなければならない、ということだ。つまり、手元に残るのは約80本になる」

ちろ姫:「に、20本も!?そんなに!?それじゃあ、買えるりんごの数が…うぅ…」

せっかくの利益が減ってしまうと知り、ちろ姫の耳はぺたんと垂れ下がってしまいました。儲かった喜びも束の間、現実に打ちのめされています。

てち王:「がっかりするな、ちろ姫。確かに税金は納めるべき大切なものだ。だが、実は、投資の利益にかかる税金をゼロにする、魔法のような制度が存在するのだ」

ちろ姫:「ま、魔法でちか!?教えてくだちゃい、兄様!」

ちろ姫の耳が、再びぴょこんと立ち上がりました。

税金がゼロになる魔法の制度「NISA」

てち王:「その魔法の名は『NISA(ニーサ)』という」

ちろ姫:「にーさ?」

てち王:「そうだ。NISAは『少額投資非課税制度』の愛称でな。国が『もっと気軽に投資を始めて、自分の資産を育てていこう』と応援するために作ってくれた、特別な制度なのだ」

てち王は、ポケットからキラキラと光る箱を取り出しました。

てち王:「このNISAという制度を例えるなら、『税金がかからなくなる魔法の宝箱』のようなものだ。普通に株や投資信託を買うと、さっき話したように利益に税金がかかる。だが、この『NISA口座』という宝箱の中で株などを買って利益が出た場合、その利益には一切税金がかからない。100ニンジン儲かったら、100ニンジンまるごとお前のものになるのだ」

ちろ姫:「ひゃ、100ニンジンが全部!?すごいでち!なんて素敵な宝箱なんでちか!」

てち王:「うむ。このNISAは2024年から新しくなり、さらに使いやすくなった。この新しいNISAには、大きく分けて2つの枠があるんだ」

1. つみたて投資枠

てち王:「まず一つは『つみたて投資枠』だ。これは、毎月コツコツとニンジン畑に種をまき、時間をかけてじっくりと大きなニンジンを育てていくような投資スタイルに向いている。国が選んだ、比較的リスクの少ない安定した投資信託などが対象で、年間で120万ニンジンまで投資できる」

ちろ姫: 「コツコツ…でちか。あたち、ちょっと苦手かもしれないでち…」

てち王:「はは、まあ聞きなさい。長期的に見れば、このコツコツが将来の大きな安心に繋がるのだ。王女になるためには、忍耐も必要だぞ」

2. 成長投資枠

てち王:「もう一つは『成長投資枠』だ。こちらは、先ほどの『イチゴクッキー株式会社』のような個別の会社の株や、少し積極的な運用をする投資信託など、より幅広い商品に投資できる枠だ。年間で240万ニンジンまで投資できる」

ちろ姫:「こっちなら、あたちが好きな会社を応援できそうでち!」

てち王:「その通りだ。自分の判断で、これから大きく成長しそうな会社に投資できる。もちろん、つみたて投資枠と成長投資枠、両方を一緒に使うことも可能だ。合わせて年間最大360万ニンジンまで非課税で投資ができるのだ」

ちろ姫は、頭から湯気が出そうになりながらも、目を輝かせて兄の話に聞き入っています。

てち王:「そして、このNISA制度全体で、生涯にわたって非課税で保有できる上限金額も決まっている。それが1,800万ニンジンだ。これを『生涯非課税保有限度額』という」

ちろ姫:「いっせん…はっぴゃくまん…!?ニンジンが…天文学的数字でち…!」

てち王:「ふふ、生涯、だからの。焦る必要はない。この枠の中で得た利益はずっと非課税なのだ。しかも、この枠内で保有している商品を売却すれば、その分の非課税枠が翌年に復活して、また使えるようになる。まさに王家秘伝の魔法のようだろ?」

ちろ姫:「すごいでち!すごすぎるでち!兄様!あたち、NISAを使いこなせる立派なプリンセスになるでち!」

てち王:「うむ、その意気だ、ちろ姫。税金の知識は、自分のお金(ニンジン)を守り、賢く増やすための第一歩。そして、このふわふわ星を豊かにするためにも、とても大切なことなのだ。しっかりと学んでいくのだぞ」

ちろ姫:「はいでち!」

ちろ姫は、垂れ下がっていた耳が嘘のように、再びぴょんぴょんと元気に跳ね始めました。今度は、ただおやつを夢見るのではなく、賢いプリンセスになるための希望に満ちたジャンプです。ふわふわ星の未来は、明るいようです。


用語解説

今回の物語に出てきた、少し難しい金融用語を分かりやすく解説します。

  • 投資で得られる利益
    投資で利益を得る方法は主に2つあります。1つは、株などを買った時より高い値段で売ることで得られる「値上がり益(キャピタルゲイン)」。もう1つは、企業が利益の一部を株主に分配する「配当金(インカムゲイン)」です。今回のちろ姫の利益は、前者の値上がり益にあたります。
  • 税金(20.315%)
    株式投資や投資信託で得た利益には、通常20.315%の税金がかかります。内訳は、「所得税」が15%、「住民税」が5%、そして2037年まで課される「復興特別所得税」が0.315%です。証券会社の口座には種類があり、「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでおけば、利益が出るたびに証券会社が自動で税金を計算して納めてくれるため、原則として確定申告は不要で便利です。
  • NISA(新NISA)
    2024年から始まった新しい「少額投資非課税制度」のことです。この制度を利用できる「NISA口座」内で得た利益には、税金がかかりません。
    • つみたて投資枠: 年間120万円まで。長期・積立・分散投資に適した、国が定めた基準を満たす投資信託などが対象。
    • 成長投資枠: 年間240万円まで。個別株や投資信託など、比較的幅広い商品に投資可能(一部除外あり)。
    • 生涯非課税保有限度額: NISA口座全体で、生涯にわたって非課税で投資できる上限額のこと。1,800万円まで利用可能です。

投資を始めるなら、まずはこのNISA制度を最大限に活用することが、効率的に資産を増やすための鍵となります。