メタバースとは?投資の将来性と安全な始め方を徹底ガイド

メタバースとは?投資の将来性と安全な始め方を徹底ガイド

宇宙のどこかにある、何もかもがふわふわしている「ふわふわ星」。この星の王様「てち王」は、星のことなら何でも知っている物知りですが、こと金融や経済にかけては、宇宙一の知識を持つ賢王です。そんなてち王には、歳の離れた妹、「ちろ姫」がいました。

ある晴れた日の午後、ふわふわ星の宮殿の庭では、ちろ姫が最新式のゴーグルを付けて、一人でぴょんぴょんと飛び跳ねていました。

ちろ姫:「わー!すごいでち!お空に虹色の川が流れてるでち!あ!キラキラのお魚さんが、あたちに挨拶してる!」

そこへ、お隣のノンビリ星から、友人のノンビリ・タートルがゆっくり、ゆっくりとやってきました。彼の歩みはいつも通り、一歩一歩、着実です。

ノンビリ・タートル:「これはこれは、ちろ姫様。何やらとても楽しそうですね。その、お付けになっている大きな眼鏡は一体…?」

ちろ姫:「タートルさん!こんにちはでち!これは『VRゴーグル』っていう宝物でち!これを付けると、ここじゃない別の世界に行けるんでちよ!あたちは今、お菓子の家で虹色の川を眺めてるのでち!」

目を輝かせるちろ姫とは対照的に、ノンビリ・タートルは少し困ったような顔で首を甲羅に引っ込めかけました。

ノンビリ・タートル:「別の世界、ですか…。もしかして、それが最近よく耳にする『めたばーす』というものでしょうか。なんだかよく分からなくて、少し怖いような気もします。お金が関係しているという話も聞きますし、私のニンジン貯金とは全く違う世界のようで…」

その時、二人の背後から、優しくも威厳のある声が響きました。

てち王: 「二人とも、何やら未来の話で盛り上がっているようだな。朕(ちん)にも聞かせてはくれぬか?」

振り向くと、そこには白と茶色の毛が美しい、若き王様てち王が、大好物のイチゴを片手に立っていました。

ちろ姫:「お兄様!ちょうど良かったでち!このゴーグルの世界のこと、タートルさんに教えてあげてほしいのでち!」

てち王:「うむ。ちろ姫が楽しんでいるその世界は、確かに『メタバース』と呼ばれるものの一部じゃな。タートル殿よ、怖がることはない。正しく知れば、それは我々の未来を豊かにする可能性を秘めたものなのじゃ。今日は朕が、メタバースの基本から、皆が気になる投資の話まで、分かりやすく解説してやろう。」

てち王はそう言うと、ふかふかの芝生に腰を下ろし、ちろ姫とノンビリ・タートルを隣に座らせました。

メタバースって、一体なに?

ノンビリ・タートル:「てち王様、早速ですが、『メタバース』とは、一体何なのでしょうか?仮想空間…という言葉を聞いたことはありますが…」

てち王:「良い質問じゃな、タートル殿。一言で言うならば、『インターネット上に作られた、人々がアバターとして活動できる三次元の仮想空間』のことじゃ。…と言っても、これでは少し難しいか。」

てち王はちろ姫の付けているゴーグルを指さしました。

てち王:「ちろ姫が今見ている世界を想像してみよ。そこでは、ちろ姫は『ちろ姫』そっくりのアバター(分身)になって、自由に動き回り、他の星のうさぎ達のアバターと話したり、一緒に遊んだりできる。まるで、もう一つの現実世界が、デジタルの世界に広がっているようなものじゃ。」

ちろ姫:「そうでち!さっきはコンコン星のきつねさんのアバターも見たでち!でも、いたずらされる前に逃げたでち!」

ちろ姫の言葉に、てち王は苦笑いを浮かべます。

てち王:「こほん。…メタバースがこれまでのインターネットと大きく違うのは、その没入感双方向性じゃ。ただ情報を見るだけでなく、その世界に『入って』、他の人々とリアルタイムで交流し、共同で何かを創り上げることさえできる。例えば、仮想空間の会議室で仕事をしたり、世界中の友達と集まってコンサートに参加したり、巨大なアート作品を一緒に作ったり…とな。」

ノンビリ・タートル:「なるほど…。ただのゲームとは少し違うのですね。まるで、どこでもドアで色々な場所に行けるような…。しかし、それがどうしてお金、つまり投資の話に繋がるのですか?仮想空間でニンジンは買えるのでしょうか?」

ノンビリ・タートルの素朴な疑問に、てち王は深く頷きました。

てち王:「そこが肝心な点じゃ。メタバースは、人々の交流の場であると同時に、新たな経済圏を生み出す可能性を秘めている。仮想空間の中で、人々は現実世界と同じように、土地を買い、服を買い、アートを飾る。その取引には、もちろん通貨が使われる。それが、NFT(非代替性トークン)という技術と結びついたデジタル資産であったり、暗号資産であったりするのじゃ。」

ちろ姫:「あたちも、アバターにかわいいリボンを買ってあげたいでち!ニンジンで買えまちか?」

てち王:「ふふ、面白い視点じゃな、ちろ姫。今のところ、ふわふわ星の通貨であるニンジンで直接買うことはできぬが、将来的にはあらゆる通貨がデジタルデータに変換され、メタバース内で使えるようになるかもしれんな。重要なのは、そこで『モノを売り買いする』という経済活動が、既に始まっているという事実じゃ。」

メタバースへの投資、その光と影

ノンビリ・タートル:「経済活動…。ということは、そこに投資の機会がある、ということですね。しかし、仮想空間の土地や服に価値があると言われても、どうも実感が湧きません。私のニンジン貯金のように、コツコツと価値が増えていくものなのでしょうか?」

亀らしく、堅実な疑問を投げかけるノンビリ・タートルに、てち王は真剣な眼差しで答えます。

てち王:「タートル殿の慎重さは美徳じゃ。結論から言おう。メタバースへの投資には、大きな可能性がある一方で、同じくらい大きなリスクも存在する。特に、初心者がいきなり手を出すべきではない領域があることを、まず心に留めておかねばならぬ。」

てち王は、指を一本立てました。

てち王:「まず、リスクの高い投資方法から話そう。それは、メタバース空間内の土地や、NFTアイテムといったデジタル資産を直接購入することじゃ。これは、遠い宇宙で新しく発見された星の土地を、まだ誰もその価値を知らないうちに買うようなもの。もし、その星にたくさんの住人が移り住み、大都市が築かれれば、土地の価値は何万倍にもなるやもしれぬ。じゃが、誰も寄り付かない不毛の地となれば、その価値は無に等しくなる。」

ちろ姫:「価値がゼロになるのは嫌でち…。」

てち王:「うむ。非常に投機的(ギャンブルに近い)であり、価格の変動も激しい。悪賢いコンコン・フォックスのような者が、『この土地は将来必ず値上がりする!』などと甘い言葉で誘ってくるかもしれぬが、その言葉を鵜呑みにしてはならぬ。これは、専門家でも未来を読むのが極めて困難な、上級者向けの投資じゃ。」

その言葉に、ノンビリ・タートルはホッと胸をなでおろしました。

ノンビリ・タートル:「危ないところでした…。私のような者は、やはり手を出さない方が賢明なのですね。では、メタバースの成長の恩恵を受ける方法は、私たちにはないのでしょうか?」

てち王:「いや、そんなことはない。ここからが本題じゃ。タートル殿のような堅実な投資家にも適した、もっと現実的な方法がある。それは、『メタバースという世界』そのものではなく、『メタバースを創り、支えている企業』に投資することじゃ。」

てち王は、空に大きな絵を描くように、両手を広げました。

てち王:「考えてもみよ。メタバースという巨大な新世界が作られる時、そこには何が必要か?まず、その世界に入るための『入口』、つまり、ちろ姫が付けているようなVR/ARゴーグルや、それを動かすための高性能な半導体を作る会社が必要じゃな。」

ノンビリ・タートル:「なるほど、ハードウェアの会社ですね。」

てち王:「その通り。次に、仮想空間という『世界そのもの』を開発・運営するプラットフォーム企業。人気のあるゲームやSNSを運営している会社が、その筆頭じゃ。そして、その膨大なデータを処理し、世界中の人々を繋ぐための『インフラ』、つまり雲の上(クラウド)の計算能力や通信網を提供する会社も不可欠じゃ。」

ちろ姫:「入口と、世界と、それらを繋ぐ道!でち!」

てち王:「ちろ姫、その通りじゃ!素晴らしいぞ!これらメタバース関連企業は、既に現実世界で確固たる事業基盤を築いていることが多い。つまり、メタバースが思ったより普及しなかったとしても、会社そのものの価値がゼロになるわけではない。我々投資家は、特定の仮想空間の土地という一点に賭けるのではなく、未来の世界を創る複数の有力企業に、分散して投資することができるのじゃ。」

賢者の選択 – 未来への種まき

ノンビリ・タートル:「複数の企業に…。それはつまり、投資信託ETF(上場投資信託)を利用するということでしょうか?」

貯金一筋だったノンビリ・タートルも、最近投資の勉強を始めていたようです。その言葉に、てち王は満足そうに頷きました。

てち王:「その通りじゃ、タートル殿!素晴らしい理解力じゃな。メタバースやAI、クリーンエネルギーといった、将来有望なテーマに特化した投資信託やETFが、既にたくさん存在する。それらを活用すれば、少額からでも、未来を創造する何十、何百という企業群の株をまとめて買うことができる。これこそが、リスクを抑えながら、未来の成長の果実を得るための賢明な方法なのじゃ。」

てち王は立ち上がり、ふわふわ星の空を見上げました。

てち王:「メタバースは、まだ生まれたばかりの若い世界じゃ。これからどう成長していくか、誰も完全には予測できぬ。じゃが、大きな技術革新の波であることは間違いない。その波に、投機という小舟で無謀に乗り出すのではなく、有力な企業群で構成された『連合艦隊』の一員として、着実に航海を進める。それが、朕がタートル殿のような慎重な投資家や、これから資産形成を始める若者たちに勧めたい投資戦略じゃ。」

話を聞き終えたノンコリ・タートルは、長年の疑問が解けたように、晴れやかな顔をしていました。

ノンビリ・タートル:「てち王様、ありがとうございます。メタバースが、ただの流行り言葉ではなく、巨大な産業の集合体であることがよく分かりました。私でも、投資信託という慣れた方法で、未来に参加できるのですね。少し勇気が出てきました。」

ちろ姫:「あたちも分かったでち!このゴーグルを作った会社や、この楽しい世界を作った会社を応援すればいいんでちね!応援して、会社が大きくなったら、あたちのおやつ用のニンジンも増えるかもしれんでち!」

ちろ姫の言葉に、てち王とノンビリ・タートルは思わず笑ってしまいました。未来への投資の本質を、ちろ姫は彼女なりに理解したようです。

こうして、ふわふわ星の庭での小さな勉強会は終わりました。最新技術への漠然とした不安は、正しい知識によって、未来へのワクワクする期待へと変わったのです。皆さんも、メタバースという言葉に踊らされることなく、その裏側で未来を創っている企業たちに目を向けてみてはいかがでしょうか。そこには、着実な資産形成に繋がる、大きなヒントが隠されているかもしれません。


用語解説

今回の物語で登場した、少し難しい金融・経済用語を分かりやすく解説します。

  • メタバース (Metaverse)
    • コンピュータやインターネットの中に構築された、利用者がアバター(自分の分身)となって活動できる三次元の仮想空間のこと。単なるゲームと異なり、コミュニケーション、経済活動、エンターテイメントなど、現実世界に近い社会活動が行われるのが特徴です。
  • アバター (Avatar)
    • 仮想空間上での自分の分身となるキャラクターのこと。自分の姿に似せたり、理想の姿にしたりと、自由に設定することができます。
  • VR (Virtual Reality) / AR (Augmented Reality)
    • VRは「仮想現実」と訳され、専用のゴーグルなどを装着することで、まるでその場にいるかのような没入感を得られる技術です。ARは「拡張現実」と訳され、現実の風景にデジタルの情報を重ねて表示する技術を指します(例:スマートフォンのカメラをかざすと、現実の部屋に家具の3Dモデルが現れるなど)。
  • NFT (Non-Fungible Token / 非代替性トークン)
    • ブロックチェーン技術を使い、デジタルデータに唯一無二の価値を持たせるための証明書のようなもの。これにより、コピーが容易なデジタルアートやアイテムが「本物」であることを証明でき、資産としての売買が可能になります。
  • 投資信託 (Investment Trust)
    • 投資家から集めた資金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。一つの商品で多くの銘柄に分散投資できるため、リスクを抑えやすいという特徴があります。
  • ETF (Exchange-Traded Fund / 上場投資信託)
    • 投資信託の一種で、証券取引所に上場しており、株式と同じようにリアルタイムで売買できるのが特徴です。日経平均株価やS&P500といった株価指数に連動するものや、特定のテーマ(メタバース、AIなど)に関連する企業群にまとめて投資できるものなど、種類は多岐にわたります。