月3万円が〇〇万円に?新NISAの積立投資、5年後のリアルな結果をうさぎと学ぶ

月3万円が〇〇万円に?新NISAの積立投資、5年後のリアルな結果をうさぎと学ぶ

プロローグ:おやつの悩みと魔法のニンジン畑

宇宙のどこかにある、何もかもが「ふわふわ」な惑星、ふわふわ星。ここの通貨はニンジンです。今日も、この星のプリンセスであるちろ姫は、悩んでいることがあるようです。

ちろ姫:「う〜ん…あたちのニンジン、すぐに干し草やりんごになっちゃう…。もっとたくさんおやつが食べたいのに、どうしてニンジンは増えないのかしら?ぴょんぴょん!」

元気いっぱいに飛び跳ねるちろ姫。その様子を、歳の離れた兄であり、この星の王であるてち王が、微笑みながら見ていました。

てち王:「ちろ姫、またおやつのことか。本当に食いしん坊だな。だが、良いところに気がついた。ニンジンをただ貯めておくだけでは、使えばなくなるだけだからな。」

ちろ姫: 「てち王にいさま!そうなの!あたちのニンジン、すぐなくなっちゃうの!どうしたらもっと増やせるの?」

てち王: 「ふむ。良い質問だ。ならば今日は、ニンジンを『自動でどんどん増やしてくれる魔法の畑』の話をしてやろう。その名も『新NISA』という、国が用意してくれた特別な畑だ。」

ちろ姫: 「まほうの、はたけ?ニンジンが勝手に増えるの!?」

てち王: 「そうだ。今日は『毎月3万ニンジンの積立投資を、この魔法の畑で5年間続けたら、一体いくらになるのか』を一緒に見ていくとしよう。これを学べば、ちろ姫も立派なプリンセスに一歩近づけるぞ。」


毎月コツコツ!「積立投資」という種の蒔き方

てち王は、ちろ姫を連れて、キラキラと輝く星空が見えるバルコニーへ出ました。

てち王: 「ちろ姫よ、まず「投資」と聞くと、少し怖いと思うか?」

ちろ姫: 「うん…なんだか難しそう。コンコン星のコンコン・フォックスが、いつも『儲かる』とか言ってて、ちょっと怪しい感じがする…。」

てち王: 「はっはっは。確かに、コンコン・フォックスが言うような話は危険なものが多いな。だが、朕がこれから話すのは、もっと地道で、安全な方法だ。それが『積立投資』というやり方だ。」

ちろ姫: 「つみたて…とうし?」

てち王: 「うむ。難しく考える必要はない。例えば、毎月決まった日に、決まった額のニンジンで、投資商品の種を買い続ける。たったこれだけだ。」

ちろ姫: 「え、それだけ?でも、種の値段って毎日変わるんじゃないの?高い日に買ったらソンしちゃう!あたち、そういうのやだ!」

ぴょんぴょんとその場で跳ね、不満を表現するちろ姫。てち王はその様子に優しく微笑みます。

てち王: 「良いところに気がついたな、ちろ姫。確かに種の値段、つまり『基準価額』は毎日変動する。だが、積立投資には『ドルコスト平均法』という、素晴らしい仕組みが隠されているのだ。」

ちろ姫: 「どるこすと…?なにそれ、美味しいの?」

てち王: 「食べ物ではないな。良いか、よく聞くのだ。種の値段が高い時は、同じ3万ニンジンでも少ししか種を買えない。逆に、種の値段が安い時は、たくさんの種を買うことができる。」

てち王は、大小さまざまなニンジンを並べて説明を始めました。

てち王: 「これを毎月繰り返すとどうなると思う?自然と、高い時には少なく、安い時には多く種を買うことになるだろう?長い目で見ると、1つあたりの種の購入価格が平均化され、結果的に高値で買いすぎてしまうリスクを抑えられるのだ。」

ちろ姫: 「ふぅん…?つまり、値段を気にしなくていいってこと?」

てち王: 「その通りだ。むしろ、値段が下がった時は『安くたくさん種を仕込めるチャンス』とさえ言える。だから、日々の値動きに一喜一憂せず、どっしりと構えていられる。まるで、ノンビリ星のノンビリ・タートルのようにな。」

ちろ姫: 「なるほど!あたち、毎日値段を見るのは面倒だから、そっちの方がいいかも!」


雪だるま式に増える?「複利」という魔法の肥料

てち王: 「さて、積立投資という種の蒔き方を覚えたところで、次はその畑に与える魔法の肥料、『複利』について話そう。」

ちろ姫: 「ふくり?今度こそおやつの名前!?」

てち王: 「違うな。良いか、普通の畑では、植えた種からニンジンが実り、それを収穫したらおしまいだ。だが、新NISAという魔法の畑は違う。収穫したニンジン(利益)が、今度は新しい種となって、さらに多くのニンジンを育て始めるのだ。」

ちろ姫: 「えっ!?ニンジンがニンジンを産むの!?」

てち王: 「そうだ。元々のニンジン(元本)だけでなく、そこから生まれたニンジン(利益)も一緒になって、雪だるま式にどんどん大きくなっていく。これが『複利』の力だ。アインシュタインという地球の賢者は、これを『人類最大の発明』と呼んだほど、とてつもないパワーを秘めている。」

ちろ姫: 「すごい!それなら、長く続ければ続けるほど、いっぱいニンジンが増えるってことね!」

てち王: 「その通りだ、ちろ姫。だからこそ、ちろ姫のような若いプリンセスが、早くから始めることに大きな意味があるのだ。そして、この複利の力を最大限に引き出してくれるのが、朕が最初に言った『新NISA』という特別な制度なのだ。」

ちろ姫: 「新NISA!その魔法の畑は、どうして特別なの?」

てち王: 「通常、投資で得た利益(増えたニンジン)には、約20%の税金がかかってしまう。100本ニンジンが増えても、20本は国に納めねばならん。だが、新NISAという畑で得た利益は、なんと非課税。税金が一切かからないのだ。」

ちろ姫: 「ぜんぶ、あたちのもの!?それはすごいわ!ぴょんぴょん!」

目をキラキラさせて飛び跳ねるちろ姫。ようやく、この話の重要性が分かってきたようです。


運命のシミュレーション!5年後の資産額は?

ちろ姫: 「にいさま!にいさま!話はわかったわ!それで、それで!あたちが毎月3万ニンジンを5年間、その魔法の畑で育てたら、最終的にニンジンは何本になるの!?

ついに本題です。てち王は、フワフワの雲でできたスクリーンを目の前に作り出し、そこに未来の数字を映し出しました。

てち王: 「よくぞ聞いてくれた。では、いよいよシミュレーションの結果を見せよう。投資の成果は、世界の経済状況によって変わるからな。今回は、3つの未来を想定してみたぞ。」

ここでの計算は、毎月3万円を5年間(合計60回)積み立てた場合です。積み立てた元本の合計は 180万円 (3万円 × 60ヶ月) となります。この元本が、複利の力でどれだけ増えるのでしょうか。

【堅実コース】もし、年利3%で運用できたら?

てち王: 「まずは、最も控えめに見積もった『堅実コース』だ。これは、あまりリスクを取らず、着実に資産を育てることを目指した場合の未来だ。」

5年後の資産額: 約194万円

増えたニンジン(利益): 約14万円

ちろ姫: 「おお!180万ニンジンが、194万ニンジンに!14万本も増えてる!これなら、高級なリンゴがたくさん買えちゃう!」

てち王: 「うむ。何もしなければ180万ニンジンのままだからな。コツコツ続けただけで、これだけ増えるのは立派なことだ。銀行に預けておくだけでは、こうはいくまい。」

【平均コース】もし、年利5%で運用できたら?

てち王: 「次は、多くの人が期待する現実的なリターン、『平均コース』だ。例えば、全世界や米国の代表的な企業の株をまとめた『インデックス投資』という方法で、一般的に期待される数字だな。」

5年後の資産額: 約205万円

増えたニンジン(利益): 約25万円

ちろ姫: 「に、200万ニンジンを超えた!?すごいわ!25万本も増えたら、ふわふわ星の最新ファッションだって買えちゃうじゃない!」

てち王: 「そうだな。月3万円の積み立てでも、5年間続けるとこれだけの成果が期待できる。これが複利と積立投資の力だ。多くの投資初心者は、まずこのあたりを目指すのが良いだろう。」

【積極コース】もし、年利7%で運用できたら?

てち王: 「最後は、少し夢のある未来、『積極コース』だ。世界経済がとても好調で、株価が順調に右肩上がりを続けた場合のシミュレーションだ。」

5年後の資産額: 約216万円

増えたニンジン(利益): 約36万円

ちろ姫: 「約216万ニンジン!?元々の180万ニンジンから、36万本も…!もう、おやつどころか、小さなお城が建てられちゃうかも!」

てち王: 「はっはっは。さすがにお城は無理だが、大きな成果であることには違いないな。もちろん、これだけのリターンを目指すには、それなりのリスクも伴う。だが、長期的に見れば、決して非現実的な数字ではないのだ。」

てち王は、3つの結果を並べて見せました。

運用コース年利5年後の資産額増えた額(利益)
元本1,800,000円
堅実コース3%約1,940,000円約14万円
平均コース5%約2,050,000円約25万円
積極コース7%約2,160,000円約36万円

※上記は税金や手数料を考慮しないシミュレーションです。新NISAの場合、利益は非課税です。

ちろ姫: 「すごい…!同じ3万ニンジンなのに、未来がこんなに変わるなんて…。」

ちろ姫は、スクリーンに映し出された数字を食い入るように見つめ、自分の未来に思いを馳せているようでした。


エピローグ:未来への第一歩

てち王: 「どうだ、ちろ姫。積立投資の可能性が少しは理解できたか?」

ちろ姫: 「うん!すっごくよくわかった!あたち、やるわ!今日からおやつを少しだけ我慢して、その分を魔法の畑に持っていく!5年後、10年後、もっと先の未来のために!」

てち王: 「おお、そうか!その意気だ、ちろ姫。だが、忘れてはならんぞ。投資には必ずリスクが伴う。時には、嵐が来て畑の作物が少し元気をなくすこともある(価格の下落)。」

ちろ姫: 「うん、わかってる。でも、そういう時は『安くたくさん種を買えるチャンス』なんでしょ?あわてて畑を売ったりしないわ。」

てち王: 「…ほう。朕の教えをもう理解したか。見込みがあるな、お主は。そうだ、大切なのは、目先の変化に惑わされず、どっしりと構えて長期的な視点で続けること。それが、未来の豊かな実りにつながる唯一の道だ。」

ちろ姫: 「うん!にいさま、ありがとう!あたち、これで立派なプリンセスに近づけた気がする!」

決意を新たにしたちろ姫の瞳は、バルコニーから見えるどの星よりも強く、希望に満ちて輝いていました。月3万ニンジンから始まる小さな一歩が、いつか自分を、そしてふわふわ星を豊かにすることを知ったからです。

小さなプリンセスの大きな挑戦が、今、始まろうとしています。あなたの「月3万円」もまた、未来を大きく変える可能性を秘めているのです。まずは一歩、踏み出してみてはいかがでしょうか。

用語解説

最後に、今日の物語に出てきた大切な言葉たちを、改めて解説します。

  • 新NISA
    2024年から始まった新しい「少額投資非課税制度」の愛称です。通常、株や投資信託で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座という専用の口座内での取引で得た利益には、税金がかかりません。年間で投資できる上限額が設けられており、「つみたて投資枠(年間120万円)」と「成長投資枠(年間240万円)」の2種類があります。
  • 積立投資(つみたてとうし)
    毎月1日、毎週月曜日など、あらかじめ決めたタイミングで、決まった金額分の金融商品を自動的に買い付けていく投資手法です。少額から始められ、購入のタイミングを悩む必要がないため、特に投資初心者の方におすすめの方法です。
  • ドルコスト平均法
    積立投資のように、定期的に一定金額で金融商品を購入し続けることで、価格が高い時には少なく、安い時には多く購入することになり、結果的に平均購入単価を抑える効果が期待できる手法です。価格変動リスクを時間的に分散させる効果があります。
  • 複利(ふくり)
    投資で得た利益を元本にプラスして再投資し、その合計額に対してさらに利益が生まれる仕組みのことです。「利息が利息を生む」とも表現され、投資期間が長くなるほど雪だるま式に資産が増えていく効果が期待できます。
  • 投資信託(とうししんたく)
    多くの投資家から集めた資金を、運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券など様々な資産に分散して投資・運用する金融商品です。1つの投資信託を買うだけで、数十〜数千の企業に分散投資するのと同じ効果が得られるため、初心者でも手軽にリスクを抑えた運用を始めることができます。物語でてち王が触れた「全世界」や「米国(S&P500など)」の株価指数に連動するインデックスファンドが人気です。